世の中は日進月歩、ここ20年でも皆さまの「見る」環境は大きく変わって参りました。日々の勉強や仕事にパソコンを使うのは当たり前、携帯電話の様な小さな端末でもパソコンと同じような事が出来てしまう現代の中で、お客様の目にかかる負担は増えてくる一方です。
我々眼鏡に携わる者も、今迄の常識やレベルでは対応出来ないケースが多くなってきており、「見る環境」の変化に呼応したスキルアップが絶対に必要になってきております。
サトーメガネでは、このような「変化し続ける視環境」にしっかり対応し、一人一人のお客様の多岐にわたる見え方の悩みにお応えすべく、各店舗で月2回以上、合同では年2回「全員参加」にて勉強会を行なっております。
「両眼視検査」を軸とした検査内容。それを応用して、数々の事例にどの様にアプローチ、解決していくか等、お客様への即対応を目指した内容になっており、恐らく当店で5年振りに眼鏡を購入されたお客様は、その時からの検査技術の進歩に驚かれる事と思います。更に5年後には、間違いなく今よりも進化させていきます。
当店を信頼し、ご来店頂いている全てのお客様に快適な見え方を提供出来ます様に、サトーメガネはたゆまぬ努力を続けて参ります。
一般屈折検査
一般屈折検査とは、いわゆる「度数」を出す検査の事で、当然ですがお客様のメガネの度数を決定するのに必須の検査ですから、これを行わない眼鏡店は無いはずです。度数とは簡単に言えば目の屈折の問題点で、よく聞く言葉では近視 遠視 乱視などで分類され、要は屈折の状態に合ったレンズを装用することで、その問題が解決され視力が上がるという理屈なのですが、実際に人が物を見る時は屈折の問題以外にも色々な要素が絡んできます。例えば遠くや近くを見る時は対象物にピントを合わせる為に、目の中のレンズ(水晶体)を目の中の筋肉(内眼筋)を使って膨らませたり縮ませたりするのですが、年齢が若くともこの「調節」という所にトラブルが生じれば、「度数は合っているけど」遠くが見えない、近くが見えない、疲れるなどの症状が出ます。
両眼視検査
目は近くを見ると内寄り(輻輳)遠くを見ると外に開く(開散)訳ですが、これは眼球の外側に付いている筋肉(外眼筋)が動きを司っていて、やはりここに問題があると「度数は合っているのに」物がダブって見えたり、疲れやすかったり、立体感が出ないなどの症状が出ます。このようにメガネの度数を出す一般屈折検査だけでは解決出来ない問題を、調節や輻輳といった視機能全般から状態を判断し解決する検査を両眼視検査といいます。目への負担が大きい現代では予想以上に視機能のトラブルを抱えている方が多く、サトーメガネではより高い次元で「お客様の個々の目の状態に合わせた眼鏡の作成」が出来る様に両眼視検査の強化に取り組んでおります。
サトーメガネの両眼視機能検査
メガネの度数だけでなく視機能全体からお客様一人一人のニーズに合ったメガネを作成する為に行なっているサトーメガネの検査項目をご紹介致します。
- 一次検査
お客様の現在お困りになっている事柄に対し、目の状態がどうなっているのかを確認する重要な事前チェック
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- 問診(今お使いのメガネのご不便 近くの物を見る時間 運転の時間等、何点か質問させて頂き快適なメガネ作りの参考にさせて頂きます)
- 遠方 近方 視力測定(メガネ無しの視力 現在のメガネでの視力 左右の視力差の確認)
- 利目チェック(主導となる目が左右どちらになるのかの確認)
- カバーテスト 輻輳近点測定(眼球運動の確認)
- 一般屈折検査
お客様の正確な度数を検出する検査。度数変化を起こす緊張や調節を出来るだけ介入させないように万全の内容にて行なっております
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- 遠方度数測定(近視 遠視 乱視度数の検出)
- 両眼開放屈折検査(片眼を遮蔽した測定と両眼を開いた状態との度数の変化の確認)
- 両眼バランス測定(両眼で見ている時の左右の調節や視力のバランスを整えます)
- 立体視(立体感覚 大型や二種免許取得時に行なう深視力測定に必要)
- 加入度測定(老視の有無、程度の測定)
- 調節力測定(近方にピントを合わせる為の目の力の測定)
- 両眼視機能検査
左右で見た映像を一つにまとめる能力 立体視 眼球運動 ピント合わせなど視機能をチェックする検査
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- 眼位検査(眼球運動と両眼での見え方の連動の確認)
- 融像力測定(左右で見た像を一つにまとめる力の確認)
- 調節ラグ測定(お客様が近くを見た時の調節の癖の確認)
- 相対調節力測定(目の緊張度合や疲れの確認)
- 調節効率測定(目の調節運動の稼働効率の確認)
以上の15項目を必要に応じて検査させて頂いています。
更に今後の「視る環境の変化」に合わせながら、検査内容の追加/見直しを行い、常に最新の知識と技術にてお客様の快適なメガネの作成に努めます。
サトーメガネでは、ひとり一人のお客様に快適な見え具合、長く安定した掛け心地、そして良く似合っているということをメガネの本質と考え、お求めいただいたメガネの価値を最大限に引き出すために、その本質部分の一翼を担う掛け具合調整のフィッティングにこだわりを持ち、お客様のご満足を追求しております。フィッティングは「メガネの命」とも言われており、理論的には調整の3要素といわれていることを基に、正しい知識と技術の習得に取り組み、調整をさせて頂いております。
上記のような流れでメガネは作製されておりますが、フィッティングにおいては特に重きを置きたいのがプレフィッティングといわれる基本の部分の調整です。お気に入り頂いたフレームとお客様にとって最適なレンズを最もいい形で組み合わせるため、お客様のご使用環境をお伺いしながら度数調整、フィッティングを行なっていきます。その後、枠入れ加工でレンズの重さやレンズカーブを考慮しながら整え、最終的にはお渡し時に最もベストな状態に仕上げていきます。
サトーメガネの基本フィッティングの流れ
フィッティングを始める前に、フレームの状態(反り角、あおり、ねじ等のゆるみ、鼻パッド、モダン部分の形状等)を再度確認します。
@ まずは全体のバランス確認
お客様にフレームをお掛け頂き全体(幅・高さ・パッド位置・智元の形状・テンプルの長さ等)を確認いたします。掛ける位置やきつめ・ゆるめの好みも考慮いたします。
A テンプル幅を合わせる
いよいよフィッティングスタートです。テンプル幅をまず緩めに合わせます。きつめを避けるのは、調整時の微妙なあたり具合が感じ取りにくいからです。最後にお好みの幅に近づけていきます。
B 前傾角を確認する
レンズの傾斜角を合わせます。この調整も見え方や上下方向の視野にも大きく影響しますのできちんと行います。基本は遠方用(常用)メガネはおおよそ10度前後、累進レンズや近用メガネは10〜15度位を目安に整えます。
C 鼻パッドを合わせる
フレームの高さ及び左右のバランスや目とレンズの距離合わせで、光学的要素と力学的要素の両方を担う重要な部分です。目安は目の角膜頂点とレンズ中心の距離が12mmに合わせますが、状況により度数等も考慮しながら多少調整します。
- ※ 一般的にクリングスタイプのフレームは細かく調整できるように作られていますが、フレームと鼻パッドが一体になっているものも多く、その場合はご希望で位置を変えて付け替えるか、クリングスタイプへの付け替えもいたします。
D モダンを合わせる
最後は光学的・美的要素をもとにしっかりと調整したフロント部分を、長く継続的に安定させるための耳にかかる部分の調整です。最終的に重要な決めの部分ですので、ズレ落ちることなく、また痛くなることがないように慎重にそして確実に合わせます。
E アイポイント設定
お客様の瞳の中心とレンズの中心を正確に合わせるための位置決めを行います。アイポイント設定を行うことによりレンズの性能を最大限に発揮できます。
F 最終確認しながら微調整する
フレームをお掛け頂き、ゆるめ、きつめの確認、使用目的・用途に照らし合わせながら微調整を行なっていきます。
私たちが行なっているフィッティングを簡単ではありますが、ご紹介させて頂きました。サトーメガネでは、お求めいただいたメガネの価値を最大限にお客様に実感して頂きながら、長く快適にご使用頂くことを最終目的としています。それに向けて、視力測定技術をはじめ、フィッティング調整においても知識・技術の向上を目指して、全スタッフ一丸となって勉強・努力をしております。